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エムアイエフのよもやま話~「100年発電所」を守る ️~

皆さんこんにちは

株式会社エムアイエフの更新担当の中西です

 

~「100年発電所」を守る ️~

 

水力発電の強みは、燃料を燃やさず、設備を丁寧に守れば長期間使えること。実際、三居沢発電所のように長い年月を経ても現役で運転し続ける例があり、改修を重ねながら稼働していることが紹介されています。
そして今、日本の多くの水力設備は「経年設備(長期間運用された設備)」になっています。ここでメンテナンス業は、単なる修理ではなく **“設備を若返らせる産業”**へと進化していきました✨


1. 高度経済成長:設備の大型化で、保守は「計画工事」へ ️

高度経済成長期、日本は電力需要が爆発的に増えました。
火力・原子力も拡大しましたが、水力も各地で整備され、既設設備も含めて“安定供給”が求められます。

この頃のメンテナンスの特徴は、**停止して点検する「計画停止(停止工事)」**が本格化したことです。

  • いつ止めるか(需要と水況を読む)

  • どこを分解するか(優先順位)

  • 何人で、何日で終えるか(工程管理)‍♂️

  • 再起動までの品質保証(検査・試運転)✅

水力メンテはここで、職人技だけでなく、**工程・安全・品質を一体で回す“現場マネジメント”**の色が濃くなっていきます


2. 老朽化時代の本番:「壊れてから直す」では間に合わない ⚠️

発電所は止まれば発電できません。
しかも水力は、山奥にあることも多く、緊急対応の移動だけで時間がかかる。だからこそ、メンテナンスは次第に

事後保全(壊れてから直す) → 予防保全(壊れる前に手当て)

へと重心を移していきます✨

水力設備の予防保全や寿命評価、更新の考え方は、メーカー・研究機関の技術論文でも体系的に論じられています。
現場感で言うと、予防保全が強いのは「小さな異常」を見逃さないから

  • 振動がいつもより増えた

  • 軸受温度がじわっと上がる️

  • オイルに金属粉が混じる️

  • 絶縁の状態が落ちてきた⚡

  • 水車羽根にキャビテーション痕が出る(水の衝撃でえぐれる)

これらを早期に拾えるかどうかで、発電所の寿命も、停止期間も、コストも変わります。
つまりメンテナンス業は、「異常を直す仕事」から「異常を起こさせない仕事」へ進化したんです️✨


3. 法令と保安体制:メンテナンスは“義務”であり“信用”になる

水力発電所は電気工作物として、安全確保の枠組みの中で運用されます。
たとえば国(経済産業省)は、発電所等の事業用電気工作物に対して技術基準適合の確保や、保安規程の作成・届出・遵守、主任技術者の選任などを求めています。

ここが、水力メンテナンス業の社会的な価値をグッと押し上げました。

  • 点検記録を残す

  • 手順を標準化する

  • 事故ゼロを目指す

  • いざという時に確実に動く設備を維持する

水力発電は「自然エネルギーでクリーン」と言われますが、その裏には、地道な保安と点検の積み重ねがあるんです


4. 更新・リハビリ(リハビリテーション):水力の価値は「若返り工事」で伸びる ⚙️

水力の大きなテーマが、**更新(リハビリ)**です。

  • 水車のランナ(羽根車)更新

  • 発電機の巻線・絶縁更新

  • 調速機(ガバナ)更新

  • 制御・保護装置のデジタル化

  • 効率改善(同じ水量で発電量を増やす)

こうした工事は、単に古い部品を新しくするだけではありません。
「効率」「信頼性」「保守性」「停止期間」まで含めて最適化し、“これからの20〜30年”を作り直す仕事です️✨

そして、これはメンテナンス業が得意とする領域。
なぜなら、長年の点検データや運転実績から、「どこが弱点で、何を変えるべきか」を知っているからです


5. デジタル化と予知保全:令和のメンテは「見る」から「読みにいく」へ ➡️

近年、メンテナンスはさらに変わっています。

  • 振動監視センサー

  • 温度・圧力・流量の常時監視️

  • 部分放電など電気的診断⚡

  • 遠隔監視(山奥でも状態が分かる)️

  • 点検記録の電子化・写真管理

これにより、メンテは「定期的に行って確認する」だけでなく、
常時データから“兆し”を読んで、止めどきを決める方向へ進みます。
現場の言葉で言うなら、
「壊れたら止める」ではなく、**「壊れないタイミングで止める」**です⌛️

ただし、ここで誤解しがちなのが、デジタル化が職人を不要にするわけではないこと。
むしろ逆で、データが増えるほど

  • どの変化が危険信号か

  • どの音・振動が“いつもの個性”か

  • 何を優先すべきか

を判断できる“経験者の目”が価値を持ちます‍♂️✨
つまり令和の水力メンテは、職人技+データ解析のハイブリッドに進化しているんです


6. これからの課題:自然が変わる時代のメンテナンス ️

気候変動や豪雨の増加、土砂災害リスクの高まりは、水力にとって無視できない変化です。

  • 取水口への流木・土砂の増加

  • 導水路の堆積・閉塞リスク

  • 増水時の設備保護(ゲート運用)

  • 周辺斜面・護岸の点検強化️

これからの水力メンテナンス業は、機械と電気だけでなく、流域・地形・防災の視点もますます重要になります️


水力発電メンテナンス業は「止めない技術」から「未来を延ばす技術」へ ⚡

高度経済成長以降、水力メンテナンス業は

✅ 計画停止と工程管理で“確実に守る”
✅ 予防保全で“壊さない”
✅ 更新工事で“若返らせる”
✅ デジタル監視で“兆しを読む”
✅ 気候変動に備えて“流域まで守る”

という形で進化してきました

水力発電は「古い設備」と言われがちですが、本当は逆。
守り方が進化するほど、価値が伸びる電源です。
そして、その中心にいるのが水力発電メンテナンス業――まさに“発電所の寿命を伸ばす仕事”なんです⚡